関節痛は肥満によって引き起こされやすい障害の一つです。
特に、体重がかかりやすいひざや足首、腰などの関節は、体重が重くなればなるほど痛めやすくなり、また一度痛めると治りにくくなってしまいます。
今回は肥満と関節痛の関係についてまとめてみましょう。
肥満が原因になって関節痛が起こる場合は、その多くが関節を構成している軟骨の損傷や関節のズレ、じん帯の損傷などの物理的なものです。
関節自体には痛みを感じる神経がないのですが、関節に起きた異常は周りの組織にある神経から「痛み」として脳に伝わります。
人は日常のあらゆる動作で自分の体重を支えています。
だから体重が重くなれば構造的に弱い関節の部分に障害が起こることは簡単に想像できるでしょう。
それでも、「体重がちょっと増えたくらいなら大丈夫」
と考えるのが普通の感覚だと思います。
しかし、ここに大きな落とし穴があるのです。
例えば体重60kgの人が70kgになった場合、体重の増加率は約17%に過ぎません。これくらいの増加であれば、普通にしていれば「体が重い」と感じる事はあまり無いと思います。
ですが実際のところ、関節にかかる負担は17%増えるだけでは済みません。

重さが2倍になれば、物体が動いた時に生まれる衝撃のエネルギーは4倍になるというように倍々ゲームで増えていく性質を持っているので、体重が17%増えれば歩いたりした時に関節にかかる負担は30%以上増加するのです。
下の票にあるように、仮に体重が1.5倍になれば、負担は2倍以上に、体重が2倍になれば負担は4倍以上に・・・と飛躍的に上がっていきます。
| 重量と運動負荷の関係 | ||
| 体重(kg) | 増加率 | 運動負荷 |
| 60(増加前) | 0% | 0% |
| 70 | 17% | 36% |
| 80 | 33% | 78% |
| 90 | 50% | 125% |
| 100 | 67% | 278% |
| 110 | 83% | 336% |
| 120 | 100% | 400% |
人体には適応能力があるので、仮に体重が増えても短期間で関節に異常が出ることは少ないかもしれません。
ただ、この状態が何年も続けば関節は急激に消耗するので、長い目で見れば足首やヒザ、腰などの関節痛が発生する確率は非常に高くなるわけです。
特に年を取ってからは老化現象とのダブルパンチですから、その影響は深刻です。
ただ、既に太っている人や関節痛などを持っている人が運動量を増やすことによってダイエットをしようとすると、その運動が関節に負担をかけるという結果になりかねません。
そういった場合は浮力が体重を支えてくれる水泳や、サドル部分が体重のほとんどを支えてくれるエアロバイクなど、出来るだけ関節への負担が少ない有酸素運動を中心にダイエットメニューを組み立てていくと良いでしょう。
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