筋力トレーニングには、鍛える筋肉の場所ごとにたくさんのトレーニング種目が存在します。
例えば胸を鍛えるならベンチプレス、脚を鍛えるならスクワット、というのが一般的なところでしょう。
しかし、同じ筋肉を鍛えるための種目でも、負荷のかかり方によって効果は微妙に違うということをご存知でしょうか?
ちょっとマニアックな話になりますが、筋肉に対する負荷のかかり方によってトレーニング種目を分類する方法について解説したいと思います。
まずは論より証拠ということで、筋トレの動作と負荷のかかり方の関係について簡単な実験をしてみましょう。
ダンベルなどのウェイトを片手に持って、下の写真のようにアームカールの要領で腕を曲げた体勢で、5秒ほど静止してみてください。なお、時間に関してはアバウトで構いません。

次に、今度は腕をほぼ伸ばした状態で5秒静止してみてください。

そして最後に、腕を垂直に曲げた状態で5秒静止してみてください。

・・・どうでしょう?恐らく「最後の腕を垂直に曲げた状態」が一番キツかったのではないでしょうか?
もしかしたらフォームや関節の構造の個人差などによってキツイと感じる角度は微妙に違うかもしれませんが、一つの筋力トレーニングの動作の中でも、負荷のかかり方が一定ではないということがわかるはずです。
そしてトレーニング種目が変わって負荷のかかり方が変われば、筋力トレーニングの効果にも当然違いが出てくるでしょう。
次に、なぜ同じ動作の中でも負荷が大きく変化するのか?ということについて分析してみましょう。
「そんな事知らなくても、キツイ体勢くらい感覚で分かるよ」
という意見もあるかもしれませんが、原理を正確に理解しておくと色々な応用が利くと思いますので、どうか読んでやって下さい。
さて、下の写真は上の実験で試した3つの体勢の、ダンベルにかかる重力(赤い矢印)と筋力を発揮する方向(黄色い矢印)を示したものです。

アームカールはヒジを支点にして、ウェイトを持っている手が円を描くような軌道になります。
従って左と真ん中の体勢では、重力に対して斜めの方向に力をかけることになります。
重力に対して斜めに力をかけるのは、例えるなら坂道を歩いて登るようなものです。
重力の影響をもろに受けるわけではないので、多少は疲れてもほとんどの場合は登り切ることができるでしょう。
これに対して一番右の写真の体勢では、重力に対して真っ向勝負。完全に反対の力を加えている状態です。
これは坂道どころの話ではなく、垂直の壁を登っているような状態ですから、一番キツイのは当然なのです。
次回は、この原理を応用して、筋力トレーニング種目を分類する方法について解説したいと思います。
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