ダイエット通販の日本語がおかしい理由

言葉というのは、時代とともに変化していくものです。

時々「最近は日本語が乱れている」なんてことをいう人がいるけれど、そんな事はいつの時代にも起こっている当たり前の現象に過ぎません。

文法的に正しくないけれど、多くの人がなんとなく使っている言葉。

それを多くの人が使うようになると、時間をかけてそれが正しい言葉として受け入れられて、多数派の圧力で言葉が変化していくわけです。

例えば、「食べることができない」を「食べれない」という、いわゆる「ら抜き言葉」も、正しい日本語とは言えないまでも、今ではかなり多くの人が使うようになってきています。

ただ・・・

ダイエット商品などの通販番組をみていると、そういう事情を差し引いても「なんじゃそりゃ」という日本語表現が使われていることがあります。

ダイエット運動器具

この間、あるお昼の番組を見ていたら、ダイエット向けの健康器具を紹介している中で、こんな言葉が何度も出てきました。

「これでシェイプが目指せます!」

文字通りの意味を考えると、シェイプというのは「形」の事ですから、「形が目指せます!」という事になり、まったく意味不明です。

一体全体、どんな形を目指すんでしょうか?

シェイプ

仮に「シェイプ」という言葉に何か別の意味を持たせるとしても、「目指せます」という表現には意味がないでしょう。

だって、目指すだけなら誰でもできるから・・・(笑)。

90歳のおじいちゃんがプロ野球選手になるのは実質的には無理ですが、「目指す」ことなら自由です。

研究所長が総理大臣になれる可能性もほぼゼロですが、目指すことだけならできます。

もっとも、番組を企画する側も、恐らくそんなことは分かっているはずです。

なので、こういう意味不明な表現が生まれるのには、大人の事情があるのではないかと思います。

まず、運動器具などをアピールするときには「これを使えば痩せる」というように効果を保証するような表現は使えないということが法律(薬事法)で決まっています。

そうなると、広告を作る側は法律違反になるような表現をさけつつ、実際にそうなるようなイメージだけを与えようとするわけです。

さらに、何度も連呼することを考えると、説明的な長い表現だと使いにくい。

そこで、シェイプアップを連想させる「シェイプ」を使って、さらに「目指せる」という表現で、さも何かが可能であるような印象を与える作戦になったんじゃないでしょうか。

イメージ戦略

ちゃんと意味を理解しようとすると、全く何の中身もない表現ですが、別に日本語としておかしな表現を使ったからといって法律違反になることはないわけですからね。

まあ、消費者としては「なんじゃそりゃ」と鼻で笑って聞き流すくらいの懐の広さを持っておくのが一番なんでしょうけど、研究所長は心がせまいのでこんなところで指摘してみることにしました(苦笑)。

でもやっぱりたくさんの視聴者の中には、
「あら、シェイプが目指せるなんてステキじゃない!」
とか思っちゃう人っているんでしょうかね・・・?

【告知】
ただいま、当研究所ではメルマガの読者さんを募集しています。
色々な特典を考えていますので、ぜひご参加ください^^
読者登録はこちらから

※当サイトへのリンクを歓迎いたします。
(管理人へのご連絡は不要です)
PAGE TOP