最近の人工筋肉事情

太古の昔、人間は毛皮やなどを身にまとって、木や石などでできた道具を使って生活していました。

しかし今は、衣服や道具など合成繊維やプラスチックなどに置き換わってきています。

さらに道具だけにとどまらず、歯や血管、骨や関節にも人工のものが開発されて、これらが人体に埋め込まれていることは特に珍しくなくなりました。

今はまだ、複雑な動きをしない部分を「緊急時の代替え品」として使われているだけの人工組織ですが、いずれは技術がさらに進歩することで、人工的に作られた筋肉が人間がもともと持っている筋肉の性能を超えることになるでしょう。

人工筋肉の進化

やがて進化した人工筋肉は単なる筋肉の代替え品ではなく、ロボットや作業機械がモーターやエンジンが今よりもしなやかな動きを実現するための「次世代の動力」になっていくのかもしれません。

実際、人工筋肉に関しては色々と新しい技術が登場したり、実用化に向けて開発が進められたりしています。

2014年にはアメリカで、ナイロン繊維を使って非常に簡単、かつ低コストで作れる人工筋肉の原理が発表されました。

これはなんと、釣り糸などに使われている普通のナイロン糸を、捻りながら編んでいくだけで作ることが可能。
しかも人間の筋肉の100倍もの荷重に耐えられる
とのことです。

2016年には日本でも東工大と岡山大による新しいタイプの人工筋肉が作られました。

プレスリリースによるとこっちは圧縮空気によって動くもので、従来にない軽さや細さ、しなやかさから、繊維などに織り込んで使うことが可能なんだとか。

しかも2017年には普及用製品の量産が計画されているらしいので、数年以内には目に見える形でこの人工筋肉が採用されたデバイスを目にすることができるかもしれません。

人間の筋肉は神経からの微弱電流で動いているので、残念ながら上に書いたアメリカの温度差で動く人工筋肉も、そして日本の圧搾空気式にものも、そのままでは体に埋め込むことができません。

なので、これらの人工筋肉がすぐに人間に埋め込まれるとしても、もうしばらく先の話にはなるでしょう。

今のところ、自分の体を使って大きなパワーを発揮しようと思えば、地道に筋肉を鍛えるほかないということです(笑)。

それでも、人工筋肉の特性を利用して、まるで人間のような動きをするロボットが登場したり、着るだけで超人のような力が発揮できるパワードスーツのようなものができるかもしれないと思うと、人工筋肉の進化が楽しみでなりません^^。

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