恐ろしい男の話(前編)

どんなに肉体を鍛え上げて屈強な体を作り上げたとしても、人間の体の強さには限界があります。

ものすごいマッチョマンでも、腹部をナイフで刺されればまず大怪我は免れないのです。

だから筋力トレーニングなどで屈強な体を造り上げたとしても、ケンカをしたりするのはとても危険です。
もしも相手が武器でも隠し持っていようものなら、命が危険にさらされる可能性もありますし、逆に相手に怪我をさせてしまえば、人生を大きく狂わせてしまうことになるでしょう。

かくいう研究所長も、一度だけ凶器を使って人に攻撃を仕掛けたことがあります。
今回はその時のエピソードについて書いてみましょう。

その頃、研究所長は7~8歳くらい。
(その頃は当然、肉体改造研究所を設立していなかったので、以下「僕」と記載します)

当時の僕は、体力に全く自身ありませんでした。
特に体が大きいわけでもなく運動神経が鈍かったので当然といえば当然かもしれません。

ある日僕は、親が外出中なのを良いことに、部屋の中を散らかし放題のままテレビを見ていました。
当時の僕は身の回りの整理整頓が苦手だったために母親から頻繁にお小言を頂戴していたので、「鬼の居ぬ間に」という感じでのんびりと過ごしていたのです。

その日は比較的天気が良かったように記憶していますが、気がつくと窓の外が思いのほか暗くなっています。
どうやら雨雲(雷雲)が立ちこめたために日光が遮られたようで、今にも大雨が襲ってきそうな雰囲気です。

そして突然の雷光。

僕は戦慄しました。
なんと窓の外に見知らぬオジサンが立っていて、部屋の中をじっと見つめているではありませんか!

しかもその容貌の恐ろしいこと。
見上げるような大男である上に体重も恐らく100kgはありそう、顔は当時テレビで人気だった「オレたちひょうきん族」のホタテマンでおなじみだった俳優の安岡力也さんそっくり。
完全に「その筋の人」系の雰囲気が漂っています。

雷光に照らされたその顔は、まさにホラーそのものです。

知らない世代の方へ→安岡力也さんは下の画像で左から2番目の方です。
(リンク先に大きな画像があります)

yahooにもプロフィールがありました。

更にその安岡さん、もとい「恐ろしい男」は突然窓をガラッと開け、僕に向かって低い野太い声で話しかけてきました。

恐ろしい男「おい。お前」
僕「は、はい?」
恐ろしい男「部屋が散らかっているじゃないか。なぜ片付けない?」
僕「え?・・・あ、あの・・・あなたは誰・・・」
恐ろしい男「散らかった部屋を、なぜ片付けないのかと聞いてるんだぁ!」
僕「あ・・・いや・・・こ、これは・・・」

冷静に考えれば他人にそんな事指摘されるいわれはないだろうと思うのですが(笑)
体の芯からビビッている僕にそんな反論は不可能です。

恐ろしい男「次に俺が来るまでに片付けておくかぁ?!あ!?」
僕「は、は、ハイッ!」
恐ろしい男「よーし、絶対だぞ。次にまた散らかしていたら・・・覚悟しておけよぉ」

最後に恐ろしい顔でニヤッと笑い、その男は去っていきました。

気がつくと空は明るくなっていて、冷や汗とともにヘナヘナと座り込んでいる僕・・・
というところで、目が覚めました(笑)

下らない夢オチですみません。
でもこの話には続きがあるのです。

後編までにはちゃんと武器の話もでてくるので、どうか怒らずに続きを読んで下さい。m(__)m

それから数日、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」とはよく言ったもので、僕は相変わらず部屋を散らかしては母親に注意されてしぶしぶ片付ける、という生活をしていました。

しかしある日の夜、また安岡さん恐ろしい男が夢の中に現れたのです。

眠りに落ちると、僕は自宅の散らかった部屋にいました。
前回の夢と違うのは、既に空が薄暗くなっていて、遠くからゴロゴロと雷鳴が近づいてくる気配がするところ・・・

まずい!あの怖い大男が来る!部屋を片付けないと!

僕は焦って部屋を片付けようとして、床に散乱しているおもちゃをいくつか拾い上げましたが時既に遅し。
窓から見える雷光とともに、鳴り響く玄関チャイムの音が聞こえてきます。

ピンポーン!

「き!来たっ!」

一瞬居留守を使おうかとも思いましたが、そんな事は不可能でした。

ドカン!とドアが激しく開けられる音に続いて、部屋の中を歩いてくるドスッドスッ!という足音。
カギを閉め忘れたのか、それとも「恐ろしい男」の力をもってすればカギなどは意味をなさないのか、その点については分かりません。

とにかく、気が付いた時にはもう、目の前に「恐ろしい男」が立っていました。

(後編に続く)

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