加工した油で爆裂クッキー?
以前に研究所長が学校で「食品学」について学んでいた時の話です。
ちなみに食品学というのは、人間が普段食べている食品にどんな栄養素が含まれているかとか、それぞれの栄養素の持つ科学的性質、さらに加工工程などについて学ぶ学問。
そしてその食品学の授業の中で、植物性油脂についての解説に差し掛かったとき、人工的に加工して作られる油として次の2つが登場しました。
まず、一つ目が硬化油。
これは例えばマーガリンのように、もともと常温では液体である植物性の油と水素を反応させることで、個体に加工したものです。
そして、もう一つがショートニングオイル。
ショートニングオイルも分類的には硬化油の一種ですが、こちらは水素ではなく窒素や二酸化炭素などを加えることによって、パンやクッキーのように中に気泡を含んだ仕上がりの食品によく用いられる油です。
両者は、製造方法に違いがありながら、どちらも植物油から作られるものです。
そして、「本分は勉強」でありながらも、その勉強からいかにして逃れるかという部分がむしろ本分であるかのうような学生であった我々にとって、その両者の違いなどは大した関心事ではありません(笑)
言うまでもなく多くの学生が両者を取り違え、テストに出た設問に対して、硬化油とショートニングオイルを混同した珍回答を生み出したのでした。
曰く、
「ショートニングオイルとは、植物油に水素を混入させることにより気泡を含ませ、パンやクッキーなど気泡を多く含む食品に・・・」
(;.;:゜Ж゜;:)ブッ!
となったのが、食品学の教授。
テストを採点して返却する時に、こんな解説をして下さったのでした。
「キミたちね。硬化油とショートニングオイルを混同してるみたいだけど、こんなのよく考えれば分かるでしょ!」
嘆きつつも、教授の顔は半笑いです。
「ショートニングオイルに二酸化炭素や窒素のような不活性ガスを混ぜるのは、気泡を安定させるためなんですよ!。水素を含んだ油なんかでクッキー作ってオーブンに入れたらどうなるかわかるでしょ!そんなの爆裂クッキーでしょ!」
確かにその通りです。
しかし、この解説で多くの学生の脳裏に「爆裂クッキー」が文字通り”焼き付いた”ことにより、両者を混同することは無くなったのでした。
まさに「ケガの功名」と言えるような出来事です。
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