習慣的に運動をしていた人が運動をしなくなると、以前は引き締まっていた体のお肉がプヨプヨになってしまうことがよくあります。
場合によっては体重の変化があまり無いにも関わらず体型が変わったりして、元々運動をしていない人よりも肥満体型になってしまったりもするので、
「筋肉が脂肪に変わった」
などと表現される事も多いようです。
果たして、筋肉が脂肪に変化するということはあり得るのでしょうか?
『トレーニングの栄養学』や『ダイエットの栄養学』のページにも書いたとおり、筋肉はタンパク質から、体脂肪は脂質からできています。つまり、筋肉と脂肪では材料が異なるわけです。
これは極端に言うと、木造住宅と鉄骨住宅のような差ということです。
だから、鉄骨が突然木材に変化しないのと同様に、筋肉を使わないでいたからといってそれが直接脂肪に変わってしまう事はありません。

逆に脂肪が筋肉に変化するということもありえませんので、
「とりあえず脂肪で体重を増やしてから、鍛えて筋肉に変えよう」
という考え方も根本的に間違っている事になります。
筋肉が脂肪に変わることがないのなら、運動の習慣がなくなった途端に脂肪が増えるのはなぜなのでしょうか?
それは筋肉の量が減り、脂肪の方は逆に増えてしまうからだと考えられます。
次の図を見てください。

図は運動を習慣的に行っている人が体の組織や筋肉を維持するために、それに見合った量の栄養を摂っている状態を表しています。
この状態では食事量と消費量のバランスが取れているので、体型が大きく変化することはありません。
しかし、運動を止めると右の図のように消費するエネルギーの消費量は少なくなり、余ったエネルギーは体脂肪として蓄えられます。
そして時間が経つにつれて、体は筋肉を「不必要なもの」として少しずつ減らしていくので、さらにエネルギーの消費量は減っていくのです。
このような状態で食事の量だけが運動をしていた時と同じだと、当然ですが沢山のエネルギーが余ってしまう事になるでしょう。
そうすると、余ったエネルギーが脂肪として蓄えられ、体脂肪がどんどん増えていく事になります。
つまり筋肉を鉄筋住宅、脂肪を木造住宅に例えるならば、
1.体の中で不必要と判断された鉄骨住宅が少しずつ取り壊される
2.今まで鉄骨住宅を立てていた大工さんがヒマを持て余す
3.大工さんが新しい木造住宅を次々に建てる
・・・というような感じになるでしょうか(笑)
だから運動量が減ってしまっても食事内容をそれに見合ったものにすれば、少なくとも急激に体脂肪が増えてしまう事はないはずです。
ただし何も運動をしないでいればやがて筋肉が落ちて体型は崩れて行ってしまうでしょうから、部活動や競技選手などを引退した人でも、体系維持のために最低限の運動を続けることをオススメします。
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