筋力と体重の関係

筋力の強さを比べる時に、
「ベンチプレスで何kg上げられる?」
なんて聞いたりする事はよくあるでしょう。

しかし、運動能力としての筋力を比べる場合、単に持ち上げられる重さだけを比較してもあまり意味がないという事を知っておいて下さい。

筋力は体重に比例する

実は筋力というのは、基本的に体重に比例して強くなるという性質を持っています。
意外かも知れませんが、これは単純に体が大きければその分だけ筋肉も大きいという理由からです。

筋肉の割合が同じでも、全体の量が大きくなれば筋肉の断面積も大きくなります

もちろんこれは「全体的にそういう傾向にある」というだけで、全ての人に当てはまるというわけではありません。
同じ体重でも数倍の筋力差があることは珍しくありませんから、一人一人の筋力と体重のバランスは人によって大きく異なります。

しかし、体重以外の条件を同じにした上で沢山の人を集めて、体重50kgの人と100kgの人筋力平均値を取ったとすれば、まず間違いなく体重100kgの人の方が上になるはずです。

つまり、体重が違うにも関わらず「何kg上げられるか?」だけで筋力を比べるという事は、身長が違う人同士が「飛び跳ねた時にどの高さまで届くか?」という事実だけでジャンプ力を比べるのと同じような方法あると言えるでしょう。

重要な「体重あたりの筋力」

それでは、意味のある方法で筋力を比べるにはどうすれば良いのでしょうか?

筋力が体重の影響を受けるのであれば、それを計算によって修正することで正確な比較が出来るはずです。つまり、筋力を体重で割った値同士を比較するわけです。

仮に体重50kgと100kgの人が、2人とも100kgのウェイトでスクワットを行えるという場合を比較してみると、

体重50kgの人・・・100(筋力)/50(体重)=2
体重100kgの人・・・100(筋力)/100(体重)=1


となり、体重あたりでは50kgの人の方が2倍の脚力を持っているということが分かります。

運動能力を発揮する上では、体重と筋力のバランスが重要です

単純に脚力=地面を蹴る力と考えた場合、ジャンプ力を必要とする競技などで体重50kgの方がはるかに有利になる事は言うまでもありません。

運動能力を比べる上では、持ち上げられる重さそのものよりも体重あたりの筋力の方が重要である場合が多いのです。

「飛べない鳥」にならないために

生物学の世界では、鳥類は体重あたりの筋力が大きくないと自力で飛び上がることが出来ないということが明らかになっています。

鳥

ゾウやクジラのように大きな「鳥」は存在しないのもこのためで、プテラノドンなど太古の地球に生息していた翼竜は、高い場所から飛び降りてグライダーの様に滑空していたというのが説が有力です。

トレーニーも筋力だけに固執して体重とのバランスを考えないでいると「重いものを持ち上げられるけど実用性がまったく無い」なんていうスポーツの世界での”飛べない鳥”になってしまう危険があります。

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