「パンチ力を付けるにはどの筋肉を鍛えるの?」
「ジャンプ力に一番重要なのはどの筋肉?」
そんなご質問をよく頂きます。
さて、筋力トレーニングによってスポーツの能力を伸ばそうと思った時、どのような点について気をつければ良いのでしょうか?
スポーツで体を動かす全ての動作を担当しているのは言うまでも無く筋肉です。
一昔前までは筋トレ(筋力トレーニング)はスポーツにとってマイナスであるという意見もありましたが、現在ほとんどのスポーツにおいてその重要性が認められています。
正しい方法で行いさえすれば、筋力トレーニングはスポーツにとってプラスになる。というのが当研究所の見解です。
筋力トレーニングが有効だと分かっても、次は「どの部分を優先して鍛えればよいのか?」という疑問が湧いてきます。
そこで、まずは実際にスポーツの時の人間の筋肉の動きについて分析してみる事にしましょう。
例えばボクシングでパンチを放つ時、一番最初に起点になるのが足です。ここから拳までの力の流れは・・・

| 1. 左足に重心を移し右足で地面を蹴る(下腿三頭筋・大腿四頭筋&二頭筋、大臀筋) 2. 骨盤の回転と同調させて体をひねる(腹筋・脊柱起立筋・僧帽筋・広背筋) 3. 腕を伸ばし、突き出す(前鋸筋・三角筋・上腕三頭筋) 4. インパクトの瞬間、拳を握りこんで手首を固定する(前腕筋群) 5. 素早く腕を引き、ファイティングポーズに戻る(上腕二頭筋、その他重複) |
動作を分析してみると、非常に沢山の筋肉が働いていることが分かります。
次にバレーボールなどで重要になるジャンプの動作を分析してみましょう。

| 1. 腕を振り下ろしながら、体を縮めて反動をつける(広背筋、腹筋) 2. 地面を両足踏み込む(大腿四頭筋&二頭筋、大臀筋、下腿三頭筋) 3. 地面を強く蹴り、腕を勢い良く振り上げながら縮めていた体を一気に伸ばす(三角筋、僧帽筋、脊柱起立筋群、その他重複) |
こっちも沢山の筋肉を使いますね。体幹筋を中心にほぼ全身を使うと言って良いでしょう。
結論から言いますと筋トレをスポーツに役立てたいなら、特定の部分だけを鍛えてもあまり効果はありません。遠回りに思えても全身をバランス良く鍛える事が重要なのです。
では、ボディービルダーの様に全身の筋力をどんどん鍛えればスポーツに強くなるかと言うと、そうではありません。
例えば野球のピッチャーが肩の筋肉を肥大させ過ぎると腕が上がりにくくなり、オーバースローでのフォームが崩れてしまいますし、マラソンランナーが速筋繊維を鍛えすぎると、体重が増加してタイムが伸びにくくなります。
競技の特性を考えてトレーニング強度や内容を組み立てていく必要があるのです。
さらに全身の筋肉を適切な内容・強度で鍛えても。それだけでスポーツの能力が上がるわけではありません。
なぜならそれぞれの筋肉を適切なタイミングで効率よく動かし、筋肉が生み出した力を動作に効率良く使う技術。この技術がスポーツでは最も重要だからです。
ボクシングなら何度もフォームを確認しながらサンドバッグを叩いたり、陸上や野球なら走りこみ・投げ込みを行なって、鍛えた筋肉をスムーズに使えるようにする。
つまり最終的にはそれぞれのスポーツ特有のテクニックを身に付けてこそ、筋力の強さがスポーツの能力に結びつくという事なんですね。
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