日本を代表するボディビルダーの一人である故・マッスル北村氏曰く、筋力トレーニングの極意を一言で表すと「集中」なんだそうです。

つまり、時間的・強度的に集中して行うことが大切と言うことですね。
また、別のある有名なトレーナーが「脚を鍛えたいからといって、電車で座らないで立っていようなんて考えるのはナンセンスだ。スクワットを思いっきりやって、その他の時はゆっくり休ませた方がいい」という説明をしていたのを聞いたことがあります。
研究所長も筋力トレーニングについての知識が深まってくるにつれて、これらの言葉が本当に的を得ていると感じるようになりました。
太くて強い筋肉を養うには、短時間の間に強い負荷をかけるのが基本で、逆に体にウェイトをしばりつけて生活したりして長い時間ダラダラを負荷をかけても、筋力トレーニングとしては非常に効率が悪いものになってしまいます。
そもそも、筋力トレーニングによって筋力が強くなるのは、
1.筋肉に対して負荷がかかる
2.筋肉が「これはまずい!強くなる必要があるぞ!」と感じる
3.傷ついた筋肉が、筋トレ前よりも強い状態に改造される
という反応によるわけですが、2の部分で筋肉に危機感を持ってもらうには、1の時点でかなり強い刺激を与える必要があるのです。
理論的な運動量だけで考えれば、軽い重量の負荷でも長時間かけ続ける事で、重い重量×短時間と同じだけの負荷を筋肉に与える事は可能です。
それではなぜ、軽い重量×長時間の重量では不十分なのでしょうか?
ここで、硬い木材に釘を打ち付ける時の事を想像してみて下さい。
釘の頭をカナヅチでごく軽い力でコツンと叩いたくらいでは、木の中に刺さっていかないでしょう。

1回あたりの叩く力が力が弱すぎれば、そのエネルギーは釘や木の持っている弾力によって吸収されてしまいますから、恐らく10回、20回と叩いても結果は同じはずです。
しかし、何度も叩く変わりに、力いっぱいカナヅチを振り下ろして2、3回叩けば、釘はどんどん深く刺さって行くでしょう。
瞬間的に大きな力がかかれば、多少釘や木の弾力によるロスがあったとしても、残りの力で衝撃を奥深くまで伝えることができるからです。
この例と同じように、筋力トレーニングを行う場合でも負荷が弱すぎると刺激を与えるべき筋肉に十分な負荷が伝わりません。
もちろん筋持久力を養ったり、長距離を歩くための力を身につけたいというような場合には軽い重量×長時間のトレーニングが必要な場合もありますが、小さな刺激の積み重ねが大きな刺激と同じ効果を得られるわけではないということは憶えておいて下さい。
逆に言えば、筋力トレーニングのために確保できる時間が短くても、内容を充実させれば大きな効果を上げる事ができる可能性は大いにあるということです。
現に当研究所の『筋トレメニューライブラリ』のコンテンツで紹介したSATOさんは、1回のトレーニング時間が役30分しか取れないような過酷な条件でも、コンテストビルダーとしての体を作り上げる事に成功しています。

「トレーニングする時間が無い」と嘆いている人は、集中して行うことを大切にして、短時間で大きな効果を上げることに挑戦してみるのも面白いのではないでしょうか。
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