筋力トレーニングの時に行われる動作に、チーティングというものがあります。
チーティングとは元々チート(cheat)つまり反則という意味で、知らないうちに行ってしまっていると、筋力トレーニングの効果を半減させることもあるので注意が必要です。
人間は重いものを持ち上げようとすると、無意識のうちに体の反動や重心移動を利用して、出来るだけ小さな力で(つまり楽をして)行うという性質があります。
例えば手に持った重い荷物を棚などに乗せようとする時、「気をつけ」の直立姿勢を取ったまま、両腕だけをロボットの様に動かして持ち上げようとする人はまずいないでしょう。
普通は腕や肩の筋力だけでなくヒザや腰の筋力もフルに使って、出来るだけスムーズに作業を行おうとするはずです。

これは動作としてはとても合理的なのですが、特定の部分だけを動かす必要のある筋力トレーニング種目で、目的以外の筋肉の力を借りてしまうと「反則」つまりチーティングとなってしまいます。
これだけでは分かりにくいと思うので、実例をあげてみましょう
アームカールは本来ヒジの関節だけを動かして行う筋力トレーニング種目ですが、腕(肩から下)を前後に振ったり、体を勢いよく反らせる動作で反動をつけると、通常より楽に行えるようになります。
ただし、このようなチーティングを行うと上腕ニ頭筋にかかる負荷は小さくなってしまうので、当然トレーニング効果は落ちてしまうのです。
ショルダープレスは肩とヒジの関節を動かして行う筋力トレーニング種目ですが、立った状態で行う場合に一瞬ヒザを曲げ、軽くジャンプするようにヒザを伸ばしながらウェイトを持ち上げると重い重量でも楽に上がります。

しかし、このようなチーティングはアームカールの時と同様、すでに勢いがついたものを持ち上げているわけですから、目的の筋肉(三角筋・上腕三頭筋)にかかる負荷は小さくなり、トレーニング効果は低下します。
「反則」という意味のチーティングですが、筋力トレーニングの上級者は、筋肉をより追い込むためのテクニックとしてチーティングを使う事もあります。
例えば、完全なフォームでもう一回も上がらないような時に、最小限の反動を利用する事で、更にもう1〜2回レップの力を搾り出したりするわけです。
しかしチーティングがトレーニング技術として役立つのは、すでに正しいフォームを身に付けていて、筋肉を意識的に動かす能力が十分に養われている場合に限られます。
初心者が下手に行うとトレーニング効果の低下どころか怪我の元となる事もあるので、十分に注意してください。
経験を積むまではチーティングに頼ったりせず、正しく美しいフォームでトレーニングしましょう(笑)
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